X-A1、僕が初めて買ったカメラの話をしよう。

なんてことない、ただの思い出話さ。

先に断っておくけど、これから喋り続けるのは全て主観だし、それなりに長い。
いつもと文体も変えてみたから、そのあたりもよろしく。

馴れ初めの前に、いきさつ。

「そうだ カメラ、買おう。」
2014年の4月、ふと思い立った。

隠す話でもないのだけれど、その年僕は留年してしまって、年下の同級生と学生生活を新たにすることとなった。多少関わりがあった人もいたけれど、ほとんどが知らない人だし、やはり(たった1つとは言え)年の差というのを気にしていたのだと思う。
こちらから仲良くならなければいけない、何かしら踏み出さないといけない。そう思って僕は、卒業アルバムを作る係に立候補してみた。

アルバムを作るには、とにもかくにも写真が要るわけで。
当時僕はエントリーモデルのコンデジを持っていたのだけれど、どうせアルバムになるならいいカメラで綺麗なものを撮りたいし、なんならそのままカメラを趣味にできたらいいよなと思って、冒頭に行き着く。

カメラを買いたくて買った、というわけではなかったのだけれど、逆に「アルバムを作る」という目的があったから、コンスタントにカメラを持ち続けることができたのだと思う。

馴れ初めまで、意外と遠く。

ということで、いざカメラを買おうと意気込んではみたものの、その頃はデジカメと一眼があるんだなーくらいの認識しかなかった。
もちろん予算の問題もあった。あまり覚えてないけど、5万円くらいしか準備できていなかったように思う。
それに、今でこそヨドバシカメラ博多という大きな電気屋が近くにあるけど、当時はベスト電器しか距離的にも規模的にも選べなかった。ちなみに、熊本にはコジマ×ビックカメラとかいう元コジマを除くと、ヨドバシもビックも無いので本当に面白くない。

さて、そのベスト電器で色々話を聞いたりおすすめされたりで、最終候補は2つに絞られた。
・SONY NEX-5T
・富士フイルム X-A1
もしNEX-5Tを買っていたら、今頃α6500あたりを手にしていたかもしれない。そんなIFストーリーも気になるけど…
覚えている限りだと、店員さんに説明されたそれぞれの推しポイントが
・NEX-5Tはパワーズームレンズだからズームがしやすいよ!
・X-A1はレンズが2本ついてるよ!
みたいな感じだった。実際NEX-5Tのレンズはスムーズにズームできたし、グリップも深めでよかったと思う、ような気がする。いかんせん3年以上前の記憶なのであまり確かではない。

まぁ正直ね、決め手はこれだったよこれ。
春のキャッシュバックキャンペーン | 富士フイルム
昔のキャッシュバックキャンペーンのページも残っていてインターネットのすごさを感じているんだけど、それよりもその内容。
エントリーモデルのカメラ(ボディ・キット問わず)購入で1万円キャッシュバックって、すごくない?

ちょっと早めの、大盤振る舞いお年玉キャンぺーン | 富士フイルム
これは直近のキャンペーンなんだけど、まずレンズ購入ありきで、その上でのボディ同時購入でキャッシュバック増額。それも、10万円を超えるボディですら5000円のキャッシュバック。
上記、春のキャッシュバックキャンペーンがどれだけやばいかということを分かってもらえるのではないかと思う。ちなみに、その次に夏にもあってたんだけど、キャッシュバック額は5000円になっていたから、単純にかなり運がよかったとも言える。

購入明細が残っていたからキャプチャしてきた。
実質4万5千円程度でボディとレンズ2本を手に入れてしまったわけだ。
ベスト電器の店員さんには結構お世話になったけど、正直通販価格との差が結構あって通販で買ってしまった。今でも若干の申し訳無さは感じている。

やっとなれそめ、そして初陣

当時からガジェット系が好きではあったけど、今みたいに外に公開するとかいうことを全く考えていなかったもので、開封系の写真が一枚も残っていなかった。
けれど、初めて手にするカメラらしいカメラに興奮を覚えたことは間違いない。

購入にあたって、カメラが好きな友達にも相談に乗ってもらっていた。
彼はキヤノンユーザーで、確かEOS Kiss X5を使っていたような… 
X-A1が届いたその日、彼の部屋に持っていって、届いたよー!とか言って撮ったうちの1枚がこれだ。当時は寮に住んでいたから、こんな風にしょっちゅう誰かの部屋に遊びに行っていた。

前述したように、元々クラスのアルバムを作るためにカメラを手にしたので、しばらくは人物を撮ることがほとんどだった。
届いた数日後に体育大会でいきなりの本番出番だし、慣らし運転もそこそこにフルスロットルって感じで結構あたふたしていたように思う。それでもそれなりにいい写真が撮れたのは、被写体のみんなが活き活きしていたからに他ならない。僕は所詮、合法的な盗撮魔でしかないのだ。

7月。ちょっと夕焼けでも撮ってみるか、と思いついた一枚。たぶん、このあたりからちゃんと「写真を撮ること」になんとなく興味を持ち始めてきたように思う。

どこへ行くにも、いっしょ。

8月、インターンシップで東京に行くことになった。僕にとっては初めての東京で、ちょっとした旅行の気持ちもあった。ならばこそ、記録のためにもX-A1を持っていかないわけにはいかない。ごつい一眼レフであれば持ち運びを少し考えるが、軽量・省サイズのミラーレスであればその心配は軽減される。

このとき偶然会った友人に、X-A1で撮ってもらった。結構お気に入りで、しばらくFacebookのアイコンにしてた。髪長いな。

その年の10月、シンガポールに旅行に行った時も、もちろんX-A1を持っていった(真ん中左にマーライオンがマーライオンしてるよ)。
他にも、名古屋にも一緒に行った。モード学園くらいしか撮らなかったけど。

気がつくと、どこかに行くなら必ず連れていくようになっていた。いつの間にか、なくてはならないものになっていた。

そして知る、レンズ交換の楽しさ

誕生日に、XF35mmF1.4 Rを親に買ってもらった。富士フイルムXマウントユーザーからの評価がかなり高いレンズだ。
Xマウントレンズの例に漏れず高額なので気が引けたけど、20歳だし、次からはもう無いからいいよと言ってくれた。本当に感謝している。

これが本当に、「俺ってば天才なのでは!?才能の塊なのでは?!」と思ってしまうほど、とても綺麗な写りをする。
レンズを変えるとこんなにも世界が変わることを教えてくれたのはXF35mmF1.4 Rだし、もちろんX-A1だ。

もっと色んな世界を知ってみたい、もっと色んなレンズを使ってみたい。そう思うのは自然なことだが、Xマウントの高価さに肩を落とすこともまた自然なことだった。高いんだって、ほんとに。

それから、いくつかの季節が過ぎ。

島根に行ったり福岡に行ったり、学園祭をやったり体育大会をやったりしているうちに、ブログが始まってた。
その間XF18mmF2 Rとか買ったり、オールドレンズとかマウントアダプタとか買ってみたりしてたんだけど、特にカメラライフには大きな変化もなくやっていた。

そうしているうちに学生生活も終わりが近づいて、そもそもの目的だった卒業アルバム作りが始まった。
こまめに撮ってきたおかげか、素材が足りないなんてことはなく、むしろ厳選から始めるほどだった。結果、僕としては満足のいくものができた。クラスの皆からも、評判はよかったように思う。気がする。

約2年かけて取り組んできたアルバム作りは、個人的には成功という結果で終わり、僕の学生生活は終わった。




で、どれだけX-A1が可愛いかという話。

カメラの話をするつもりが、いつの間にか単なる思い出話になっていた。
それだけ日常に深く溶け込んでいたということで、めんごめんご、おにめんご!

ところでこのX-A1、だってもはや可愛い要素しかないよね。
学校で持ち歩いていると、どちらかという学生より先生に好評だった。
「クラシカルだね」「レトロチックでいいね」という言葉が多かったように思う。
黒とシルバーというシンプルな色使いは、それぞれレザー調とメタリックという素材感のコントラストも主張している。それでいて飾らないデザイン。

惚れないわけがないんだよなぁ?

確かに上の要素だけなら、富士フイルムのミラーレスのシルバーモデルであれば、大抵網羅している。
けれどX-A1が他のXマウント機と圧倒的に違う(と思っている)のはその可愛さにある。

ペンタ部(真ん中上部の出っ張り)にあたる部分を除き、長方形に近いフォルムをしている。これだけでカメラ然とした様子がかなりなくなってくる。
フォーカス切り替えレバーもない。前面に見えるのはAF補助光ランプとレンズマウント解除ボタン、それだけだ。実にシンプル。

カメラに見えないカメラだから可愛いのか?
何もそうは言っていない。X-A1がカメラに見えないなんてことはない。
それはもちろん、キットレンズとはいえ十分に使えるXCレンズが存在を主張していることもある。
そして、ボディ上部のダイヤルとシャッターボタン、これが効いている。
ちゃんとカメラに見えるのだ。「俺は!!!カメラだ!!!!」と声高に言わないだけで、X-A1はちゃんとカメラしている。

適度に厚みを持ったボディも見逃せない。
薄すぎるとひ弱なイメージを持ってしまうし、ホールドしにくい。
僕がX-A1をずっと使っていられたのは、持ちやすさに不満がなかったからなのは大いにあると思う。

更に言うと、X-A1は可愛さを主張しているのか?という点。
僕が断言するのもおこがましい話なので、なんか適当に言ってるなくらいで受け止めてほしいのだけど、答えはNOだ。

これはX-A1の2世代後の機種であるX-A3の画像なんだけど、ちょっと可愛さに寄せに行っている。ピンクとか出してるし。
それについて異を唱える気は毛頭ない。女性ウケするデザインが女性ウケするのであれば、女性の富士フイルムユーザーも増えるだろうし、いいことだと思う。
ただ、こういう明らかに狙いに行った可愛さに興味はないんだ、個人的に。

もっと言うと、X-Eシリーズも似たようなフォルムではあるが、あれはあれでかっこよすぎるので、またちょっと違う。

何が言いたいのか、分かってくれるだろうか。
X-A1は、絶妙に可愛いのだ。それはカッコいいを内包した可愛いであるし、可愛さを含んだカッコよさであると言ってもいい。
好みにどストライクなこのデザインは、僕の中で既に最高と決まっている。

カメラとしての使い勝手

フラッグシップの一眼レフやミラーレスと比べたら、ダイヤルやボタンが少ない操作系ではある。
悪いようにも聞こえるが、それはすなわち操作で迷いにくいということにつながる。
上部は、電源兼シャッターの他は、露出ダイヤルとモード選択ダイヤル、ファンクションボタンだけ。
背面も、ボタンが数個とダイヤルが用意されているのみだ。

なお実はX-A1レンズキットに含まれるXCレンズには、絞りリングがない。
Aモード(絞り優先モード)のとき、絞りは本体側で調節する(露出ダイヤル下に見えるダイヤルを左右に回す)。シャッタースピードはオートで設定される。
Sモード(シャッタースピード優先モード)のときは、同じダイヤルでシャッタースピードを調節する。絞りはオートで設定される。
Mモード(マニュアル)のときは、ダイヤルで絞り、露出ダイヤルでシャッタースピードを触る。露出はオートだ。

ISO感度こそ自由に設定できるものの、この割り切りようは今思うとすごい。
実際、X-A1を使っていた頃は基本Aモードで、絞りと露出とシャッタースピードをそれぞれ弄るという感覚は全くなかった。

それでも、ちゃんといいと思える写真が撮れてきた。

操作の簡単さはデジカメ並みと言っても過言ではない。なんならフルオートのモードもある。
もちろん、マクロ撮影や連写、AFモードやAFエリアの設定などの機能はしっかり備わっている。富士フイルムのカメラの十八番であるフィルムシミュレーションだって使える。
ミニチュア風に撮れたりトイカメラ風に撮れたりするフィルター機能や、美肌モードや夜景モードなども一通り用意してある。

手軽さと豊富な機能を兼ね備え、撮れる写真はちゃんと綺麗。美しい。
なんだこいつ、最強かよってなるのも不思議ではない。

今でこそ新しいカメラを使っているけども

今年の2月に、X-T20に乗り換えた。
そろそろ新しいカメラにするかと思っていたところの新機種だった。X-T2と迷ったが、価格の差に負けてこちらにした。

X-T20は悪いカメラではない。…というのは、別記事で弁明しているので今回は省く。
ただ、どうにもX-A1以上に愛せる自信がない。ちょっと妥協して買った後ろめたさもあるし、デザインもどストライクなわけではない。
いいカメラを使っているという気持ちはあるし、もっといい写真も撮れると思う。
繰り返しになるが、X-T20を悪く言っているわけではないんだ…
好きか嫌いかで言ったらもちろん好きなんだけど、X-A1を好きすぎてしまっただけ。

X-A1への思い入れには、多分これから買うどんなカメラも勝てないんじゃないかってくらい大切にしている。
できることなら手放したくないし、子どもが大きくなったら使って欲しい。(まだ子どもいないけど)
そして一緒に写真を撮りたい。僕が好きなカメラを子供に使ってもらうっていうのはすごくやばいシチュエーションだと思う。想像しただけで泣きそう。

本当にそう思えるカメラに出会えてよかった。
初めて買ったカメラが、いいものでよかった。

今回は、そんな僕とX-A1の思い出話。おしまい。

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